ゴルフクラブ選びの中でも「シャフトの硬さ」に悩む初心者は少なくありません。自分に合っていない硬さのシャフトを選んでしまうと、スイングが不安定になったり、飛距離が出なかったりと、せっかくの上達機会を逃してしまうこともあります。
スイングスピードやプレースタイルに合わせてシャフトの硬さを選ぶことが、スコアアップの近道です。
この記事では、ゴルフシャフトの硬さの基本から、初心者・中級者におすすめの選び方、注意点までをやさしく解説します。
シャフトの「硬さ」とは何を意味する?
ゴルフクラブの「シャフト」とは、グリップとヘッドをつなぐ部分で、スイング中にしなる構造をしています。「硬さ」はそのしなり具合の度合いを指し、英語では「フレックス(Flex)」と呼ばれます。
シャフトが柔らかいとしなりやすく、タイミングを合わせて打つことで飛距離を出しやすくなります。一方で、硬いシャフトはスイングスピードが速いプレイヤーでも暴れにくく、方向性の安定につながります。
この「硬さ」は、スイングスピードやプレースタイルによって最適なものが異なるため、自分に合ったものを選ぶことが重要なのです。
硬さの種類(R・S・Xなど)とその違い
一般的に、シャフトの硬さは「R(レギュラー)」「S(スティフ)」「X(エクストラ・スティフ)」などの表記で区別されます。
Rは標準的な硬さで、スイングスピードが速くない一般的なアマチュアゴルファーに適しています。Sは少し硬めで、よりパワフルなスイングをする人向け。Xは非常に硬く、上級者やプロレベルのスイングスピードを持つプレイヤー向けです。
他にも、L(レディース)やA(アベレージ)など、特定の層に合わせた硬さも存在します。表記はメーカーによって若干異なる場合があるため、実際に試打して感覚を確かめることが大切です。
自分に合った硬さを選ぶ3つの基準
シャフトの硬さを選ぶ際は、主に次の3つの基準を意識するとよいでしょう。
1つ目は「スイングスピード」。ヘッドスピードが遅いのに硬いシャフトを使うと、ボールが上がらず飛距離も出にくくなります。
2つ目は「打ち出し角とスピン量」。柔らかいシャフトは高くボールが上がりやすく、スピンがかかりやすい傾向があります。逆に硬いシャフトは打ち出し角が低く、スピンも少なめ。
3つ目は「フィーリング」。同じ数値のシャフトでも、振った時の感覚には個人差があります。体にしっくりくるフィーリングも選択基準のひとつです。
初心者・中級者におすすめのシャフト硬さは?
初心者にとってのおすすめは、多くの場合「R」または「A」フレックスです。これらはしなりやすく、タイミングが取りやすい設計になっているため、スイングの基本を身につけやすいのが特徴です。
中級者になると、スイングスピードやスイング軌道が安定してきますので、「S」フレックスへの移行を検討するのもひとつの手です。
大切なのは、上級者が使っているからといって「X」などの硬いシャフトを選ばないこと。無理に硬いものを使うと、スイングフォームが崩れたり、手首や肘に負担がかかる場合もあります。
間違った硬さを選ぶとどうなる?
自分のスイングに合わないシャフトの硬さを使うと、さまざまな問題が起こります。
たとえば、柔らかすぎるシャフトを使うとタイミングがずれてしまい、フェースが開いたまま当たることでスライスが出やすくなります。逆に、硬すぎるシャフトはしなりが少なく、ミートしにくくなることで飛距離が出ません。
また、手打ちや無理なスイングになりやすいため、フォームの崩れやケガのリスクも高まります。自分のスイングスピードや体格、フィーリングに合った硬さを選ぶことが、快適で効果的なプレーにつながるのです。